廃用身(☆3.8)

screen

監督・脚本:𠮷田光希

原作:久坂部羊

キャスト:染谷将太、北村有起哉、瀧内公美 他

配給:アークエンタテインメント

あらすじ

デイケア施設「異人坂クリニック」に通う高齢者の間では、院長の漆原糾が考案した画期的な治療が密かに広まっていた。コストパフォーマンスに優れた介護を目指すその医療行為は、「廃用身(麻痺などにより回復見込みがない手足のこと)」をめぐるもので、「身体も心も軽くなった」「厳しい性格が柔らかくなった」などと予想外の“好ましい副作用”が現れたという。噂を聞きつけた編集者の矢倉は、老齢期医療に革命を起こす可能性を感じ、漆原に本の出版を打診する。しかし、デイケアに関する内部告発が週刊誌に流出し、さらに患者宅で衝撃的な事件が起こったことで、すべてが暗転していく。(映画.comより)

覚悟が必要

軽い気持ちでみるとかなりくらうので、ある程度覚悟が必要。

序盤で年配のご夫婦が退出して、そのまま帰ってこなかった。
確かにそのくらいショッキング。特にご年配の方にはきついかも。

「ヒューマンサスペンス」っていうジャンルになってたけど、これサスペンスなのかな。

なんとも複雑な気分で帰った。

以下、ネタバレあり

 

答えはない

あの医者が間違ってたか、間違ってなかったか。
自己満足とか一種の趣味趣向でやってたのか、100%患者を想ってやってたのか。

これが分からない仕様になってた気がする。(笑)

完全にこっちですっていう演出を敢えてせず、そこは意図的にごちゃごちゃっとさせてる感があった。
少なくとも私はどちらか分からなかった。

終始怪しい雰囲気ではあったものの(笑)、ストーリーを追っていくと「患者のために」やっているように思えていたけど、最後あの出版社の人が施設の人に取材をしているとちょっと違う一面もあったように話してたし。それで分からなくなった。

あの医者自信が自分でも分からなくなってる感じもあった。

 

人って本当に勝手

寝たきりの夫と話したいって言ってたおばあさんは、
医者が勧めた訳でもないのに、自分から夫と話がしたいって
そんな効果があるかは分からないことを説明された上で手術をして、
案の定、術後の夫の姿をみてショックを受けて、「話せるようにならない」って
「なんでもっと強く止めてくれなかったの?」って。

他責が過ぎる。

勝手に期待して、勝手に失望して。
それだけならまだしも人のせいにして。

自殺したおばあさんの家族も。

最終的に決めたのは自分たちのはずなのに。
家族が止めることもできただろうに。

みんな人に責任を押し付ける。

先生が酔っ払って最後に出版社の人と電話で話していた内容は、本音だとは思えない。
あんな状況になったら、もし本当に患者のためと思ってやっていたとしても
自分を疑いだすのも無理はない。

内部告発は恐らく序盤に施設を辞めたあの女の人で、

良くないことだと感じて止めようと思ったのか分からないけど、
「ごめんなさい」じゃ済まない。想像力が無さ過ぎる。

全部気持ちは分かるけど。分かるけどー。

まあ、先生が自殺してしまったという結果をみてるからそう思うんだけど。

 

確かに惨いは惨い

すごい難しいと思った。

みながら何回か自分に置き換えてたけど、
いくらもう動かないからって、無くしてしまうのは簡単なことではないだろうな。

頭では理解できるし、確かにあらゆる面で合理的ではあるんだろうけど。
気持ちがついていかない。

年齢や状況もあるだろうけど、そんなに割り切って考えられなさそう。
見た目は大きい。

ヒューマンサスペンス?

高齢化が進んでいって、介護の手が追いつかなくなったり
色々な問題が生じていくことが予想される中で
こういう話も決してあり得ない話ではないんだろうと。

そういう映画じゃないんだけど、
健康寿命を延ばそうと強く思った。(笑)

ポスターの字体もホラーチックだし、ジャンルもサスペンスになってるし
映画全体の雰囲気も異様な感じはあるんだけど
私としてはどっちかというと「社会派映画」とかそんな類に思った。

内容はきつかったけど、映画としてはクオリティが高いし、
色々考えさせられる内容で、音の使い方とかも表現の1つとして効果的に使われていて
意思がある作品だと思った。

でももうみたくない。(笑)

 

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